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2018/10/27 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『13回の新月のある年に』
「もう、遅いのね」家族には戻れない。訪ねた友人からもお払い箱。私はどこへ行っても、邪魔者でしかない。
「お前に価値なんてないんだ」いま僕の中に棲む誰かが具現化したみたいな、DV彼氏。
あなたをすきになればなるほど、僕の頭は空っぽになっていく。私が何者であったのか忘れてしまう。 そんなことない、エルヴィラは奴がただ痛めつけて遊んでるだけだって解っている。 だが彼は本当に帰って来なかった。「行かないで、」
どこでなにがこんなにまでこんがらがってしまったのだろう。誰も彼女を受け止めきれない。
狂ってると思われたくなくて、必死に論理一貫するように話すの、もう疲れたな、
狂ってても大丈夫って、思える、この映画を観ている間は
挿入される長いモノローグ形式の寓話のひとつひとつ、ある日視た夢のようにとめどなく浮かぶ。
白いオフィス、おかしな人々、ダンスも狂気じみていて気持ち良い
床にどくどくと流れ落ちる鮮血、だらんと皮一枚でつながった首、元妻との馴れ初め。基本的にいつもオーバーラップ、脳の容量不足する、わけわかんなくなるけど楽しい。
音も、不快な音がこれでもかって大音量でくるのほんとキツかったけど、終わる頃にはクセになってる。その耳で聴くとハロウィンの渋谷の喧騒も全然五月蝿くなく感じるほど、笑
モノローグ式のコミュニケーションがすきだ、そうやってとりとめなくずっと話し続けていてほしい
「毎日手紙の返事を待っていた、」
来るはずもない返事を
彼女が代わりに死んでくれたことで、
僕の哀しみもいまこの瞬間は癒されている
「本物の」女という呪い、
そもそも彼女は女になりたかったのか
「相手の望みを自分のものと嘘をつく」
彼女がサバイブのために身につけた能力によって為されてしまっただけなのか
すきだったとこの8%くらいしか書けてないけどつまりは
本当に最高に至高、何度も何度でも観たい、
《2018/10/27 ハロウィーンの渋谷にて書く》
《2018/10/27 鑑賞 於ユーロスペース》