”一人交換日記”

2019/11/6 本当なんてどこにもなく だが執着からは逃れられず

 

 

「本当にしたいこと」は「今できないこと」
今できることはしたくない、できないことだけがしたい

 


「本当に欲しいもの」は「手に入らないもの」
手に入った瞬間欲望は満たされ、虚しさに支配される
手に入らないから恋うる、焦がれる、焼け爛れるまで
手に入らないものこそが至高
だから君が死んでしまえばもう誰も二度ときみを「手に入れる」ことはできず
きみは最も高きものとなる
別にきみが死んでしまわなくたってこの狭くて広い東京できみと擦れ違うことすらどっちみち不可能で
私がきみと同じ部屋の空気を吸うことだって二度とないだろう

 

 

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思いが通じるって何?
もしあのとき気持ちを隠したままその後も会い続けられたとして
きみをもっと好きになってしまったら、
きみにとっての快楽の道具になれたとしても僕はきみの好きな人じゃない
僕はもっともっときみを好きになるだろう
その優しさ、甘さ、退廃、そして「僕をすきでないということ」そのものによって

 

 

捧げて、貢いで、時間も、会っていない時間もずっと思い続けて、
僕はきみの奴隷になるだろう、きみはすこしもそれを嬉しく思わないばかりか疎ましく思うだろう、
どのみち僕を遠ざけるようになるのは時間の問題だった、
「人間、相性でしかない」のだから、
「そういうんじゃない」から、あなたは「対象」じゃないから、他を当たってくださいね、
はい。懇切丁寧ではなくても「存在を無視」という形によってそれを教えてくれて、
とても親切だし誠意があります、あなたは、ありがとう。