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2019/11/5 夜の散歩
明らかに数日前までとは空気が違って、
冷たい、
悲しみに冷たさが沁みるのか、
寒いから悲しさが余計深くなるのかわからない、
懐かしい痺れる感覚、
どこかで嗅いだ香りは記憶の扉を叩いているけど思い出せはしない、
夜、誰かと近づくのはいつも夜、冷たい森を散歩しているとき
たくさんの人と擦れ違った、
「彼女は僕にとって通りすがりに過ぎない、
彼女にとっての僕もまた、通りすがりに過ぎない」
あの一歩踏み外せば落ちていってしまいそうな感覚
不安、不安定、恐れ、結局私はグラグラ揺れているのが好きなのだろう、
安定は僕をどこへも連れて行ってはくれない、
死の甘い香りを嗅いでいるときだけ束の間の自由と 愉悦を感ずる