”一人交換日記”

2018/7/24 食肉市場・芝浦屠場『お肉の情報館』

 

品川駅からたった数分歩いたところに、そこはあった。

芝浦屠場。3年ほど前からずっと行ってみたかった場所。

 

牛豚が毎日数百頭屠畜され、捌かれ、お肉になって、都民の食卓へと送られていく。

東京最大の食肉センター。

 

長い歴史の中で差別が残っていることからか、食肉工場自体は見学することができない。

ビルの6階に、「お肉の情報館」はあった。

 

パネルだけでどこまで理解できるかなと思っていたけど、、、

一番はじめの映像資料はほんとに過程をディープに映し出していてすごかった!

牛の屠畜。

脳を刺し脳震盪を起こして失神させ、喉元を素早く掻き切り、大量の血を床へ放つ。

食べたものがこぼれないよう、食道と胃を先に取り出す。

(ここから先、順序を正確に覚えていない)

BSEの感染を調べるため脳の一部を取り出す。(元々可能性のある牛はほとんど取り除かれているが、さらにチェックする)

一定の厚さで皮を剥ぐ。

BSEが移る可能性がある脊髄を取り出す。

ある工程を経ると(思い出せない)内臓が自重でずるりと全部まとめて落ちる。

巨大で重い器具で牛を半分に割る。枝肉になる。

 

そのあいだあいだに器具を逐一消毒するとか、すごく機械が精密でめちゃめちゃ工夫されてたりとか、

ガイド(どう切るかを補助するものとか)なんて何もないのになんでそんな超絶美しく剥けるのとか、

職人だ………!!!プロだ……………!!!!!!という

感動の連続。

 

途方もない蓄積と、技術と、

私などには到底到達し得ないような未知の次元にあって、

ただただ圧倒された。

 

ここではたらく人々が日々、捌いてくれていることで、私は食べられるということ。

 

****

 

「人権」のコーナーに展示されている、

びっしり几帳面な字で書きつけられた、「差別文書」。

この人は毎日毎日、食肉センターの人々へ悪意を伝える手紙を書き続けた。

言葉を変えて、365日、送り続ける。

どんな孤独な暮らしをしているのだろう。

だれも掬い取れない孤立した生、誰かを見下すことで、その人はなんとか生き永らえようとする。

 

(慮る振りをして、私はその人に会いに行く訳でもなく、なにもしていないなら

他の傍観者たちと何も変わりはしない、優等生ぶってるだけ、誰のことも責める権利などない)